【作 者 名】まつむら としや
【登場人物】女6 計6名
【上演時間】約40分
【コメント】
以前、“夜の学校に閉じこめられた生徒が、恐ろしい体験をする・・・”という設定で「三年生を送る会」用のビデオ作品を何本か撮りました。演技陣は演劇部と先生方。先生方には大抵お化け役で登場願ったので、結局会場は笑いの渦に包まれてしまいました。しかし、しっかり怖がらせる場面も用意しておいたので、そちらでは椅子から飛び上がる生徒もいて、こちらは結構「快感」を味わいました。
この作品は、その雰囲気を下敷きにして、「夜の学校」「恐怖」そして「笑い」を舞台用に構築したものです。
ビデオのような特殊撮影はできないので、階段を道具に「降りたはずなのに、上から戻ってきてしまう」という怪異を演出しました。以前、今の演劇部の生徒達にマイムの王様、マルセル・マルソーのビデオを見せたことがあり、みんなが興味を示して画面を見入っていたのを見て、マイム的な要素を取り入れたいと思っていたのです。階段を降りる仕草という基本中の基本ではありましたが、みんながんばって練習してくれました。おかげで舞台でもけっこう効果があったようです。
おばあちゃんの世代、お母さんの世代、そして今の中学生の世代が「中学生の姿」で出会ってしまうという設定は、結構な歴史があり、実際多くのお母さんが卒業生である、二砂中の文化祭用ということで思いついたものです。「懐かしい思いがしました」というありがたい感想もいただきました。私は同じセーラー服ながら、髪、スカート丈やスカーフなどの着こなし、仕草、ソックスや靴などにこだわって、世代の違いを表現しましたが、上演なさる際には同時に言葉遣いや流行り言葉の違いなど、聴覚の面でもこだわりをもって欲しいと思います。
また、キャスト一人一人の個性をしっかり作り上げて欲しいと思います。役者本人の個性を、うまく役に当てはめて、魅力的なキャラクターを作り上げてください。
私はこの台本作りの取材で、母の昔話をたっぷり聞きました。作品中の「ばーたん」の身の上や「ガラスのない板を打ち付けた電車」のエピソードはそれを生かしたものになっています。この作品が、普段なかなか考えたり、話したりすることのないそれぞれの世代の事情などを、家庭の中で語り合うきっかけになってくれたらうれしいと思います。
【使 用 料】脚本公開規則に準ずる
【上演許可】
作者より都中劇研に一任されています。
こちらからご連絡下さい。
【上演記録】2009年度都大会等
この投稿者: http://chugekiken.jpn.org/newbb/viewtopic.php?forum=2&topic_id=118&post_id=146